2012718

兵ちゃん


NASシリーズ 1

FreeNASで作るパソコンを使ったNASについて

兵ちゃんの研究室へ戻る

 みなさんは、パソコンを使っていてずっと保存しておきたいファイルが沢山あるのではないかと思います。それに、最近はデジカメやビデオ等のデジタル家電もパソコンと同じようにファイルとしてデーターが作られるのでパソコンのHDD(ハードディスクドライブ)に保存してHDDが故障しないか心配になっている人もいるのではないかと思います。そして最近はインターネットの光回線が普及してルーターが使われて家にLAN(ラン)を使っているところも多くなっていると思います。そのような場合にLANに接続して使うファイルの保存先がNAS(ナス)と呼ばれる物です。また、NASはパソコンで作る事ができます。もちろん、MS Windowsパソコンから接続して使います。今回は、パソコンを使ったNASについて紹介したいと思います。



1.NASとは

 NASとは、Network Attached Storag(ネットワーク・アタッチド・ストレージ)の略で、LAN等のネットワークに直接接続して使用します。一見すると外付けハードディスクのようですがファイルサーバ専用のコンピュータの事です。 専用機化したことで高速なファイルサービスを提供し、管理も容易になっています。また、OS(オーエス:Operating System) もファイルサービス用に特化してチューニングしてあるか、独自開発されたものが使われています。NASには、様々な物があり、だだファイルを保存する物から信頼性を高めたRAID(レイド)を搭載した物もあります。



2.パソコンを使うメリット

 NASと言えば専用機を思い浮かべますがパソコンで作る事ができます。パソコンを使うとハードウェアを自由に組み立てることができます。さらに、パソコンを使うことで高スペックで多機能な物が作れて、安価に構築できます。また、気に入らなければソフトウェア(OS)やハードウェアを自由に変える事もできます。ファイルサーバとして使うことを考えると一昔前のパソコンで十分な性能を持っているので古いパソコンを利用することもできます。ただし、新しいハードウェアの場合ですが、2TB以上のHDDを使う場合は、マザーボード等が対応している必要がある等があります。



3.NASに特化した無料のOS

 パソコンをNASとして使うための無料のOSとしては、次のようなものがありまが、今回は、UNIX(ユニックス)OSの中でもBSD(ビーエスディー)系のFreeBSD(フリービーエスディー)から派生した日本語表示に対応しているFreeNAS(フリーナス)というOSを使います。


OS

ベース

利用可能なサービス

日本語

FreeNAS

BSD

CIFS/SMB, FTP, NFS, rsync, iSCSI

Openfiler

Linux

CIFS/SMB, WebDAV, FTP, NFS, rsync, iSCSI

×

OpenMediaVault

Linux

SSH, FTP, TFTP, NFS, SMB/CIFS

×



4.ファイル共有のためのプロトコル

 ファイル共有を実現するネットワーク上での通信手順の事をプロトコルと言いますが、一般的にプラットフォーム(パソコンの種類)ごとに異なるものを利用しています。今回は、CIFSというプロトコルを使います。


プロトコル

説 明

NFS (Network File System)

Solaris, Linux, Mac OS XなどUNIXOSの多くがサポートするプロトコル。またWindowsServices for UNIXをインストールすることでNFSを使えるようになります。

SMB(Server Message Block)

MS Windowsで主に利用されるプロトコル。UNIXOSではSambaが広く使われている。

CIFS(Common Internet File System)

WebDAV

プラットフォームへの依存性の低いプロトコルとしてHTTPを拡張したもの。(今回は使えません)



5.RAID

 RAIDとは、速度・容量・信頼性を高めるために物理的なハードディスクを複数台をまとめて、一つのハードディスクとして構成した物をRAIDと呼んでいます。RAIDには、RAIDカード等の拡張カードを使ったハードウェアRAIDとソフトウェアで作られたソフトウェアRAIDがあります。RAIDには、HDDの構成により幾つかのレベルがあります。代表的なものは次のとおりです。それと、RAIDで使うHDDは、同容量の物を使って構成します。今回は、FreeNASで使われているものは少し新しいRAIDRAID-ZRAID-Z2を使っています。どちらもソフトウェアRAIDで使います。


レベル

名称

HDDの数

説明

RAID 0

ストライピング

2台以上

複数台のハードディスクに、データを分散して読み書きし高速化したもので冗長性がなく耐障害性もない。容量は、HDD2台中2台分

RAID 1

ミラーリング

2台以上

複数台のハードディスクに、同時に同じ内容を書き込む。これをミラーリングと呼ぶ。 RAID 1は最もシンプルなRAID。容量はHDD2台中1台分

RAID 5

パリティ付きストライピングモード

3台以上

ブロック単位でのパリティ分散記録パリティを使用して複数のハードディスクに誤り訂正符号データと共に分散させて記録して使用効率に優れている。 ドライブの台数が増えるほど高速化を見込める。容量はHDD4台中3台分

RAID 10

ミラードストライピングモード

4台以上

ストライピングしながらミラーリングで二重に記憶するモード。容量はHDD4台中2台分

RAID-Z

可変ストライプ幅

3台以上

RAID 5と似た機構、速度と耐障害性を向上させたもの

RAID-Z2

不明

4台以上

不明



6.ファイルシステム

 MS Windowsで使われているファイルシステムは、NTFSですが、FreeNASでは、別なものが使われています。


(1)UFS

 UFSとは、Unix File Systemの略で、UNIXOSで使われているファイルシステムです。


(2)ZFS

 ZFSとは、Zettabyte File Systemの略で、SolarisというUNIXで開発されたものです。UFSの次世代ファイルシステムといわれています。



7.FreeNAS

  FreeNASというOSは、パソコンでNASを構築することに特化したFreeBSDディストリビューションの一つです。FreeNASは、NASで使われる機能のほとんど持っています。今回は、なるべくハードウェアの性能を生かしたいので64bit版を使います。


開発元

Olivier Cochard-Labbe  Volker Theile

最新版

(2012.6.8)

32bit: FreeNAS-8.0.4-RELEASE-p2-x86.iso

64bit: FreeNAS-8.0.4-RELEASE-p2-x64.iso

ライセンス

BSDライセンス

特徴

iSCSI対応(iSCSIターゲット/iSCSIイニシエータ)

ソフトウェアRAID(0/1/5 とその組み合わせ)対応、

ファイルシステム:ZFS, UFS, ext2/ext3, NTFS, FAT32サポート

ハードディスク(HDD)タイプ:パラレルATA, シリアルATA, SCSI, iSCSI, USB, IEEE 1394サポート

S.M.A.R.T.対応、 syslogサーバへの転送機能、 SNMPモニタリング機能

ユーザ認証機能/グループユーザ管理(ローカルユーザ認証,MSドメイン認証)

電子メールログと通知レポート機能、 ATAoE対応

iTunesサーバ機能、 DAAPサーバ機能

UPS(Uninterruptible power supply)サポート

プロトコル

CIFS (Samba)TFTPFTPNFSSSHrsyncAFPUPnPiSCSI

設定方法

別のパソコンからブラウザで設定する「WebGUI」でおこなう。



8.必要なハードウェア

 マザーボードが対応していればFreeNASのインストールが完了した後ディスプレイ、マウス、キーボードを外した運用が考えられています。あと、準備したハードウェアは少しオーバースペックだと思います。もっと、古いパソコンでも良いと思います。また、希望するスペックにしたい場合は、拡張カードで増設したり、場合によっては、マザーボードを交換する事も検討する必要があると思います。



推 奨

実験1準備したハードウェア

実験2準備したハードウェア

CPU

i386以上

AMD Phenom II X4 965

AMD Phenom II X4 965

RAM

256MB以上

8GB

8GB

起動用HDD


2GB以上のHDD,USBメモリ,コンパクトフラッシュ等1

2GB以上でマザーボードから起動できる物

HDD 2TB


HDD 2TB

データ用HDD

1台以上のHDD

HDD 2TB×4

(RAID-Z2で使用)

HDD 3TB×6

 3TB HDDはサポートしていなかった。

その他

FreeBSDのサポートするハードウェアRAIDカード、ネットワークカード(有線/無線)

マザーボードASRock 870iCafe R2.0にオンボード

マザーボードASRock 870iCafe R2.0

SATAカード



9.インストール

 URL http://www.freenas.orgからFreeNAS-8.0.4-RELEASE-p2-x64.isoというディスクイメージファイルをダウンロードしてライティングソフトでCD-Rに焼きインストールディスクを作ります。次にディスクをドライブにセットしてCD-ROMドライブから起動します。


1

1」を矢印キーで選択して[Tab]キーを押して[OK]を選択して[Enter]キーを押す。






2

インストールするディスクを矢印キーで選択して[Tab]キーを押して[OK]を選択して[Enter]キーを押す。



3

[Yes]を選択して[Enter]キーを押す。






4

[OK]を選択して [Enter]キーを押す。



5

3」を矢印キーで選択して[Tab]キーを押して[OK]を選択して[Enter]キーを押す。




6

右の画面は、白黒反転してありますが作動中はこのような画面が表示されます。画面の下側に「http://192.168.0.7/」というアドレスが表示されていますがこのアドレスを使って別のパソコンからブラウザで設定します。









10.基本設定

 ここからは、MS Windowsパソコンのインターネットエクスプローラ等のブラウザで設定します。日本語表示にするのと固定IPアドレス(静的アドレス)を登録します。


1

ブラウザに「http://192.168.0.7/」のIPアドレスを入力してFreeNASのページを開いたところです。

(英語表示)WebGUIが表示される。







2

[Setting]タブをクリック、「Language」を「Japanese」を選択し「Timzone」を[Asia/Tokyo]を選択する。左下の[Save]をクリックしてマウスを右クリックして[最新の情報に更新]をクリックしてページを再度開きなおす。







3

日本語表示に変わる。













4

[ネットワーク][インターフェース][Add インターフェイス]をクリックする。






5

「インターフェース名」は任意の名前を入力、「IPv4 アドレス」は固定したいIPアドレスを入力する。「IPv4 ネットマスク」は、LANで使われているものを選択する。

設定が終わったら左下の[OK]をクリックする。







6

ブラウザのIPアドレスを変更するとWebGUIが再度表示される。












7

[アカウント][マイアカウント][パスワードの変更]をクリックする。



8

新しいパスワードを入力する。このパスワードがエクスプローラ等で共有フォルダへアクセスする時に使われる。












11.ストレージの設定

 HDDを選択してソフトウェアRAIDを構成します。


1

[ストレージ][ボリューム][ボリュームの作成]をクリックする。











2

「ボリューム名」は任意の名前を入力する。「メンバディスク」でHDDを選択する。「ファイルシステム」で「ZFS」を選択する。「グループタイプ」でRAIDの種類[RAID-Z2]を選択する。[ボリュームの追加]をクリックする。






12.CIFS

 CIFSは、主にMS Windowsで使われるプロトコルですが、このプロトコルを使うことでMS WindowsパソコンもUNIX系パソコンもLANに参加して連携して使う事ができます。今回は、このプロトコルの設定を行います。


(1)CIFSの設定

 ここでは、LAN上に公開する共有フォルダの設定をします。


1

[共有][CIFS Shares][Add CIFS Shares]をクリック



2

共有フォルダ名は「名前」に入力する。「パス」は[Brows]をクリックして共有フォルダを指定します。[Clous]をクリックする。「隠しファイルを表示」、「許可するホスト」は、LANに繋がっているパソコンのIPアドレスを「,」カンマで区切って入力するか全部接続するには「all」を入力します。

左下の[OK]をクリックする。












3

[サービス][CIFS]をクリックする。


4

FreeNASをインストールしたパソコンの名前を「Net BIOS名」に入力する。ワークグループ名を「ワークグループ」に入力する。文字コードの設定を「DOS文字セット」を[CP932]を選択する。「Unix文字セット」は[UTF-8]を選択する。[OK]をクリックする。






5

[サービス][サービスの制御]CIFS[ON]にする。












6

MS Windows 7パソコンのエクスプローラでネットワークを見たところです。FREENAS」のコンピュータが表示される。







7

共有フォルダへアクセスする時は、IDは「root」パスワードは「10.基本設定の8」で変更したパスワードを入力してアクセスする。



(2)CIFSでの使用

 パソコン同士をLANで繋いだのと同様に共有フォルダにアクセスできます。しかも、NAS専用機より、パソコンをNAS専用にした方が速く、快適に使えます。



13.起動と終了

 起動するにはFreeNASをインストールしたパソコンの電源スイッチを押すと起動します。終了する時は、ブラウザで[シャットダウン][シャットダウン]で終了してオフにするか、電源スイッチを押してやれば自動的に安全にシャットダウンして電源がオフになります。簡単な操作で使えるように考えられています。




 これでNASがどんな物でパソコンを使って作れる事が解ってもらえたでしょうか?逆に言えば、高性能、高機能のNASが必要ならパソコンで作るしか無いと思います。また、RAIDを構成するのもパソコンで作った方が良い物ができます。しかし、残念なのは、FreeNAS-8.0.43TBHDD(2TB以上)に対応していいませんでした。今後のバージョンアップに期待したいと思います。NASを導入する時の参考になれば幸いです。








参考URL

FreeNAS http://www.freenas.org

日刊工業新聞社 FreeNASで作る iSCSIサーバー構築ガイド

晋遊社 Linux 100% vol.18

FreeNAS 8で手軽にNAS構築 自称プログラマーの備忘録 http://ww24.jp/?p=1311

色々

10