20140118

兵ちゃん

NASシリーズ4

パソコンを使ったNASの作成について

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 パソコンに沢山のファイルが保存されていると思います。パソコンを複数台持っている人は、どのパソコンに保存しているか掌握するのが大変ではないでしょうか・・・そこでパソコンをLANで繋ぎLAN上に保存しておけばどのパソコンからも同じようにアクセスできるため、使い勝手が良くなります。このLAN上に保存するハードウェアはNAS(ナス)と呼ばれています。NASのパッと見は、LANに接続するハードディスクのような物ですが実は小さなコンピューターになっています。そしてパソコンで作る事ができます。そこで今回は、パソコンを使ったNASの作成について紹介したいと思います。



1.NASとは

 NASとは、Network Attached Storag(ネットワーク・アタッチド・ストレージ)の略で、LAN等のネットワークに直接接続して使用します。一見すると外付けハードディスクのようですがファイルサーバ専用のコンピュータの事です。 専用機化したことで高速なファイルサービスを提供し、管理も容易になっています。また、OS(オーエス:Operating System) もファイルサービス用に特化してチューニングしてあるか、独自開発されたものが使われています。NASには、様々な物があり、だだファイルを保存する物から信頼性を高めたRAID(レイド)を搭載した物もあります。



2.パソコンを使うメリット

 NASと言えば専用機を思い浮かべますがパソコンで作る事ができます。パソコンを使うとハードウェアを自由に組み立てることができます。さらに、パソコンを使うことで高スペックで多機能な物が作れて、安価に構築できます。また、気に入らなければソフトウェア(OS)やハードウェアを自由に変える事もできます。ファイルサーバとして使うことを考えると一昔前のパソコンで十分な性能を持っているので古いパソコンを利用することもできます。ただし、2TB以上のHDDを使う場合は、マザーボード等が対応している必要がある等があります。



3.NASに特化したOSの選択

 パソコンをNASにする無料のOSで入手できる物は2種類あります。UNIX(ユニックス)OSの中でもBSD(ビーエスディー)系のFreeBSD(フリービーエスディー)から派生した日本語表示に対応しているFreeNAS(フリーナス)というOSLinux系では、Debian GNU/Linuxから派生したOpenMediaVault(オープンメディアバウルト)とがあります。


OS

ベース

利用可能なサービス

使用言語

FreeNAS

BSD

CIFS/SMB, FTP, NFS, rsync, iSCSI

日本語

OpenMediaVault

Linux

SSH, FTP, TFTP, NFS, SMB/CIFS

英語



4.NASOSの現状

 NASOSは、無料ですが使用量も少なく開発中のためバグを抱えていて動かすためには旧バージョンを使わざるおえない状況もあります。今回の最新版のバグは次の通りになります。結局、OpenMediaVaultの旧バージョンで安定している64bit版の openmediavault_0.3_amd64.isoを使うことになりました。Linux系の2TB以上のハードディスクへの対応は、旧来の方式で対応していたところを新しい方式であるUEFIでの方式に変わったばかりでバグが残っていたようです。



OS

バージョン

バグ

1

FreeNAS

9.1.1

インストール後データー用ドライブを取り付け他のパソコンからブラウザを使って設定を試みたがWebGUIにバグがあり設定ができなかった。ただし、2TB以上のHDDには対応していた。今後のバージョンアップに期待したい。

2

OpenMediaVault

0.5.0.24

インストール後データー用ドライブを取り付け他のパソコンからブラウザで設定したところRAIDの設定はできたが、フォーマットの時点でエラーが発生し使用を断念した。今後のバージョンアップに期待したい。



5.RAID

 RAIDとは、速度・容量・信頼性を高めるために物理的なハードディスクを複数台をまとめて、一つのハードディスクとして構成した物をRAIDと呼んでいます。RAIDには、RAIDカード等の拡張カードを使ったハードウェアRAIDとソフトウェアで作られたソフトウェアRAIDがあります。RAIDには、HDDの構成により幾つかのレベルがあります。代表的なものは次のとおりです。それと、RAIDで使うHDDは、同容量の物を使って構成します。今回は、RAID 5でソフトウェアRAIDで使います。


レベル

名称

HDDの数

説明

RAID 0

ストライピング

2台以上

複数台のハードディスクに、データを分散して読み書きし高速化したもので冗長性がなく耐障害性もない。容量は、HDD2台中2台分

RAID 1

ミラーリング

2台以上

複数台のハードディスクに、同時に同じ内容を書き込む。これをミラーリングと呼ぶ。 RAID 1は最もシンプルなRAID。容量はHDD2台中1台分

RAID 5

パリティ付きストライピングモード

3台以上

ブロック単位でのパリティ分散記録パリティを使用して複数のハードディスクに誤り訂正符号データと共に分散させて記録して使用効率に優れている。 ドライブの台数が増えるほど高速化を見込める。容量はHDD4台中3台分

RAID 10

ミラードストライピングモード

4台以上

ストライピングしながらミラーリングで二重に記憶するモード。容量はHDD4台中2台分



6.ファイルシステム

 MS Windowsで使われているファイルシステムは、NTFSですが、OpenMediaVaultでは、別なものが使われています。


名 称

特 徴

EXT 3

third extended file systemの略でLinuxのファイルシステム

EXT 4

EXT 3の後継のファイルシステム

XFS

シリコングラフィックスが開発しLinuxへの移植されたもの

JFS

Journaled File Systemの略、IBMが開発してLinuxへ移植されたもの




7.OpenMediaVault

  OpenMediaVaultというOSは、FreeNASから派生したLinux版のOSです。ベースとして使われているOSは、Debian GNU/Linux(デビアングニューリナックス)をベースにして作られています。OpenMediaVaultは、パソコンでNASを構築することに特化したLinuxディストリビューションの一つです。最新版はバージョン0.5になりますが、安定している旧バージョンの0.3を使います。

開発元

Volker Theile

旧バージョン

64bit: openmediavault_0.3_amd64.iso

ベース

Debian GNU/Linux 6.0 (Squeeze)

特徴

S.M.A.R.T. monitoring + email notification, Watchdog

HDD power management (APM/AAM)

EXT3/EXT4/XFS/JFS filesystem support

Software RAID JBOD/0/1/5/6 (mdadm) + email notification, LVM

Share management + ACL support, Quota (per volume)

SNMP (v1/2c/3) (read-only) , UPS

プロトコル

SSH, FTP, TFTP, NFS,SMB/CIFS, Bittorrent client, DAAP client, NTP

設定方法

別のパソコンからブラウザで設定する「WebGUI」でおこなう。



8.必要なハードウェア

 マザーボードが対応していればOpenMediaVaultのインストールが完了した後ディスプレイ、マウス、キーボードを外した運用が考えられています。あと、準備したハードウェアは少しオーバースペックだと思います。もっと、古いパソコンでも良いと思います。また、希望するスペックにしたい場合は、拡張カードで増設したり、場合によっては、マザーボードを交換する事も検討する必要があると思います。



推 奨

準備したハードウェア

CPU

64BIT CPU以上

AMD Phenom II X4 965

RAM

1GB以上

8GB

起動用HDD


1GB以上のHDD,USBメモリ,コンパクトフラッシュ等1

1GB以上でマザーボードから起動できる物

HDD 2TB


データ用HDD

1台以上のHDD

2TB以上対応

HDD 4TB×4

(RAID 5で使用 10.5TB)

その他

Debian GNU/Linux 6.0のサポートするハードウェアRAIDカード、ネットワークカード(有線/無線)

マザーボードASRock 870iCafe R2.0にオンボード、UEFI2TB以上扱える)



9.組立

 用意したハードウェアと組立は次のようになります。OSのインストールは、前回インストールした通りなので「20120718NASシリーズ3OpenMediaVaultで作るパソコンを使ったNASについて」を参照して下さい。


1



起動用ハードディスクです。容量は2TBを準備しました。

2



データー保存用のハードディスクです。容量は4TBを準備しました。

3



今回は、4TBのハードディスクを4台使いRAIDを構成します。RAID構成して10.5TBの容量にして使います。

4



ハードディスクをパソコン(デスクトップ)に取り付けたところです。SATAケーブルは、起動用ハードディスクにNASOSをインストールした後に取り付けます。

5



NASOSUSB接続のDVDドライブからインストールするところです。

6



NASOSのインストールが済、データー用ハードディスクのRAIDの構成が終わり起動しているNASです。

7



MS Windowsのエクスプローラーでネットワークを見たところで今回組み立てたNASは、「OPENMEDIAVAULT2」になります。

8



使用容量6.05TB、空き容量4.65TBの合計サイズ10.7TBになります。



10.考察

 今回のNASは、最新バージョンを使いたかったが、バグがあっては、最新版も使えません。特に今回は、4TBの容量のハードディスクを使った事でNASOSの動作確認されているのか怪しいギリギリのところへ踏み込んでしまいました。候補のOSは、今後のバージョンアップにてバグを駆逐される事を期待したいと思います。




 これでNASがどんな物でパソコンを使って作れる事が解ってもらえたでしょうか?逆に言えば、高性能、高機能のNASが必要なら今回のようにパソコンで作るしか無いと思います。バグがあった最新版は、今後のバージョンアップで改善される事に期待したいと思います。NASを導入する時の参考になれば幸いです。








参考URL

OpenMediaVault - Home http://www.openmediavault.org/

OpenMediaVault https://sites.google.com/site/openmediavaultdoc/home/

色々

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